住空間にどこかしら「和」のテイストを感じるとちょっぴり癒されませんか?木造住宅、限られたスペースに散りばめられた和の要素を愉しめる住まいをご紹介しましょう。藤森大作建築設計事務所が手掛けた「ワビサビハウス」は、家族の集まる空間を二階に配置し、枚方を一望できる気持ちのいい住まいです。朝にはたっぷりの陽ざしとロフトスペースのあるリビングは開放的で家族の気配を感じることができます。何よりも、階段下スペースや躙り口のある趣味の部屋など、どこかしら和風のよさを感じられるデザインに。日常をしっとりと味わえるような豊かな住空間が広がります。
敷地があるのは大阪府枚方市内、町を一望できる高台というロケーションでありながら周辺は比較的近隣建物との距離が詰まった住宅地の一角。見た目は切妻屋根に繊細な印象のある木格子が特徴的な外観です。外壁を包むシックなブラックカラーと木格子のブラウンがちょっぴりモダンで落ち着きを感じるデザイン。強い西日を和らげる効果もある木格子は外部からの視線や繋がりが緩やかに、安心感を感じることが出来ます。
玄関ホールから階段スペースへ進むと、階段下のデッドスペースから屋外へ広がるように坪庭のある風景を愉しむことができます。暗くなりがちな階段下を彩る枯山水の庭は和の風情を感じ、豊かな住空間へと演出。視線が抜けることで空間の奥行を感じることができます。近隣との距離が詰まった住宅地でも、地窓を利用した坪庭の風景は閉塞感のない心地のいい住宅に。
二階に配置されたのは家族の集まるパブリックスペース。高台のロケーションを愉しむ為に、家族の寛ぐ場所から風景を愉しむことができます。室内はホワイトカラーと木素材のナチュラルな質感で包まれるシンプルなインテリア。建具や家具などちょっとしたところで和の要素を感じることが出来ます。ダイニングエリアの上部に設けられたロフトと繋がるパブリックなスペースは開放的で人の気配のある温かな住空間です。
二階のリビングで寛ぐ家族の姿が見えるロフトスペースはお子様三姉妹の為の空間です。三人が遊んでいても十分な広さのあるワンルームの一体的な空間に。それぞれのワークデスクや収納スペースを確保し、一体的でありながら互いのプライバシーを保てるデザインです。シンプルなインテリアをベースにすると、好みのアイテムにカラフルな家具や装飾によって雰囲気がより明るくなる空間です。
二階ダイニングエリアから見通す家族の集まる空間。杉板のフロアに漆喰塗の天井と壁に包まれる空間は素材のそれぞれの質感を味わえる心地のいい空間です。東側に位置するリビングエリア、置かれたタモ材の丸太テーブルを囲んで開口の先に広がる周辺の風景を一望しながら、しっとり過ごすひと時は最高ですよね。