homify360°: 存在感ある瓦屋根の家「KAWARA」

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可哀荘, 宝角建築アトリエ 宝角建築アトリエ Asian style living room Wood Wood effect
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「屋根」が持つ印象は、建物自体の印象と風景を形成する重要なポイントです。世界の地域毎に伝わる屋根をみても風土や文化が大きくかかわってきています。日本の伝統的な住まいでは欠かすことのできない屋根仕上げの一つ「屋根瓦」。ひと口に屋根瓦と言っても素材や屋根形状も様々です。今回ご紹介する住宅は大きな「むくり屋根」の印象的な住宅です。京都の桂離宮にもみられる「むくり屋根」は日本独特の優雅で品のある雰囲気があります。非日常のような日常を「和」の持つ心地よさの一例として宝角建築アトリエによって本住宅が提案されました。

堂々たる屋根、モダンな外観

一見すると、屋根の迫力からか、平屋の家に見える本住宅は二階建て。滑らかな弧を描く屋根形状からは違和感なく、むしろ心地よさを感じます。小さく収まった破風板はスッキリと、また数少ない開口は全て木仕上げで統一されており、しとやかでありながら堂々とした雰囲気もあります。通りすがる人の興味をそそる住宅ファサードです。

木仕上げの贅沢な空間

天井、床や建具など、可能な限り素材を統一させた仕上げは一体感と温かい雰囲気ある印象です。大きな軒出によって間接的に得られる夏の強い日差しは素材を傷めることなく、緩やかに室内を明るくしてくれます。全体的に目を引く木目の上品さから非日常的な空間です。それは小じゃれたギャラリーのような、または山間の隠れたお宿のような、そんなイメージを抱きます。

ゆったりと伸びる軒出

ロールスクリーンや網戸といった、日常生活には煩わしいモノは全て隅柱や天井内へと隠してしまいました。隠すことによって開閉も違和感なく視界をまとまりのある空間へと魅せます。また軒下の犬走りは硬く風化に強い、耐圧強度にも優れている御影石仕上げで、植栽の緑と相まって全体として日常生活に一呼吸を置きたくなるような心休まるスペースです。

格子戸の美しいリビング

天井一杯まで伸びる大きな建具がインパクトとなるリビングスペース。和室とリビングスペースを隔てるこの建具はガラス板を挟むように太い格子、奥は細い格子で格子同士を互い違いに合わせる事で、デザインとして仕上がりは目透し風の格子戸となりました。統一された木目の色調も渋めで建具格子から漏れる灯りは独特な雰囲気があります。

水盤のある涼しげな庭

今回は周辺環境による事情から設置を避けたという雨樋。しかし、むくり屋根によって軒先の急勾配から雨水が流れやすく乾きも早く、腐食を防ぐことができます。また下部に設置された排水溝はあえて一時的に貯める事が出来る水盤へと変貌させました。これによって水盤の風情ある涼しげな雰囲気のおとなりました。雨の日、雨水は軒先から滴り、水盤へと波紋を描く姿には見る人の心が癒されるのではないでしょうか。

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