住まいを軽やかに鉄で飾るには?

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
164 OKACHIMACHI, ゆくい堂株式会社 ゆくい堂株式会社
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直線や曲線はもちろんのこと、3次元的な自由な形に加工できる鉄は、アールヌーボー調のアンティークなデザインからシンプルでミニマルなモダンデザインまで様々なスタイルの表現が可能です。しかし、色々なかたちがありすぎて逆にどのように使えばいいのか迷ってしまうこともあるのではないでしょうか。そこで今回は、鉄を使ったモダンデザインからクラシックスタイルまで多彩な鉄の使った住まいの飾り方を紹介します。

鉄製ベッド

鉄は他の素材に比べて強度が強く、ベッドのように大きな負荷がかかるものでも細い線の表現が可能です。鉄製ベッドと聞くと、アンティークなかわいらしいデザインを想像されるかもしれませんが、鉄を使ったモダンデザインのベッドももちろんあります。こちらのベッドは、長さ212cm幅167cmのクイーンサイズの大きなベッドですが、4本の細い脚とシンプルなデザインで大きさの割に軽やかな印象を受けます。この大きさでこの軽快さはまさに鉄ならではものでしょう。

階段の手すり

階段の手すりは、そのデザインだけで階段や、時には家全体の雰囲気を表してくれます。自由な形の表現ができる鉄であれば、必ず自分の住まいにマッチする鉄の手すりも見つかるはずです。こちらのクラシックならせん階段は、株式会社 彩賓館が手掛けた住宅にあるものです。家全体は深みのある暗い色の木でシックに仕上げられ、階段の手すりも同じようにデザインされています。その階段の手すり子には、アンティーク調にデザインされた鉄が使われていて、後ろに見えるステンドグラスや照明器具にもよく合っています。

植物で彩るバルコニー

鉄の手すりのデザインでよく見られる曲線を描く有機的なデザインは、アールヌーボーというスタイルで、19世紀終わりから20世紀初頭に興った芸術スタイルです。その有機的なデザインは、植物や花といったものをモチーフにされたので、こうした曲線のデザインと緑を組み合わせると、自然に帰ったかのように見事に調和します。花をよく置くバルコニーの手すりに鉄を使うのもいいかもしれません。

やわらかく部屋を仕切る

部屋をおしゃれに仕切りたいと思っている方は、鉄のパーテーションを置いてみるのもいいでしょう。鉄を使ったモダンデザインからアンティーク調デザインのパーテーションまで色々なスタイルがありますから、きっと自分の部屋をよりおしゃれにしてくれるはずです。こちらのお宅は玄関に鉄製のアールヌーボー調のパーテーションが取り付けられ、南欧風の雰囲気を醸し出すよう作られました。周りは重厚な石で仕上げられており、それがより鉄のパーテーションの軽やかさを引き立てています。

鉄を使ったモダンデザイン

こちらは、ゆくい堂株式会社がリノベーションしたというおよそ165㎡という大空間のマンションの一室。このキッチンからダイニング、リビングとつながる大きな部屋の真ん中には、収納ができる鉄製の仕切り戸があります。そこには、よく見かける鉄網が使われていますが、その黒くシャープなデザインと後ろのキッチンのやわらかな白い壁のコントラストがその鉄を使ったモダンデザインを際立てています。

格子状の外観

直線的なシャープなかたちの住宅の外観にしたいという方は、鉄で格子状に家を囲むのも1つの選択肢です。こちらの岩井文彦建築研究所が設計した住宅のファサードには、鉄製のルーバーが各階のバルコニーに取り付けられています。ルーバーなので太陽光をやわらかく室内に取り込んでくれることはもちろんのこと、道路からの人の視線をカットしプライバシーにも配慮され、またバルコニーの手すりとしての機能も果たしています。夜には光がやわらかく外にこぼれる機能的な鉄を使ったモダンデザインです。

写真:多田ユウコ (多田ユウコ写真事務所)

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