日常の生活空間に「癒し」を取り入れるにはどんな方法があると思いますか?今回紹介する住宅では、EGAWA ARCHITECTURAL STUDIOのが「水のゆらぎ」を表現することを提案しています。水という自然の媒体は間違いなく忙しい毎日を送る私たちを癒してくれるでしょう。どんな仕掛けがあるのかさっそく見てみましょう。
180坪強のゆとりある敷地に建つRC造にガラスの大開口といったモダンな外観の住宅です。外壁は杉板型枠によって木目が現れたコンクリート、左官による櫛引仕上げそして通常のコンクリート打ちっぱなしといった異なる表情をもっています。 また建物と一体化した形でビルトインガレージが設計されています。
玄関アプローチに進むと中庭に大きな水盤が。昼間は太陽の光がきらきらと反射し水のゆらぐ様子に感動し、夜間にはライトアップされた水面にやすらぎを感じるかもしれませんね。水面とアプローチの床面がほぼ同じ高さなので、親水効果をさらに高めます。
ドラマチックに演出された玄関アプローチ。デッキやルーバー、そして玄関ドアに木素材を使用することで、クールな印象を与えるコンクリート造の建物に暖かみを与えています。意外とコンクリートと木は相性が良いのでこの組み合わせは積極的に取り入れたいですね。玄関ドアには色々な高さにノブが付いており、どこを引っ張っても開くようになっているそうです。遊び心溢れるアイデアですね。玄関横にはゴルフの打ちっぱなしスペースが設けられています。時折窓越しに水面を眺めることもできますね。
住宅内部もコンクリート打ちっぱなしです。ゆとりある幅の玄関スペースは吹き抜けになっており、とても開放的です。上框には透過性のブロックを使用し、奥に仕込んだ照明器具によってフットライトとして機能します。間接照明の使い方として是非参考にしたい例ですね。
リビングルーム及びキッチンダイニングを通して天井にトップライト用のスリットが設けられ、空間にメリハリをつけると同時に十分な採光を確保しています。スリットには照明器具が仕込まれているので夜間も光のラインが部屋に走り、とてもインパクトのある照明効果をもたらします。白系のタイルにダークなキッチンが引き立ちます。天井までの収納は機能性抜群ですね。
次は2階の開口部です。公園に面したガラスウォールは葉っぱの葉脈を挟みこんだ非常に凝ったガラスを採用。下部から上部に向って葉脈の量が減っているのがわかりますか?夜間に内側からの光によって葉脈の模様が美しく浮き出ると同時に外からの視線を柔らかに遮ってくれます。自然を生活空間に取り入れるお洒落な方法ですね。
次はバスルームを見てみたいと思います。全体的にモダンなデザインですが浴槽は香り豊かな檜を使っています。ガラス越しに流れる滝を鑑賞することができ、バスタイムにいっそうの癒しをもたらしてくれます。反対側の壁は乳白色のガラスブロックで、隣の居室の気配や光を感じることができます。癒しをテーマにした住宅らしく、奥には岩盤浴用のベッドがサウナ兼用のルームに置かれています。