テラスとリビングが一体化した森に佇む家

Michiko JUTO Michiko JUTO
015軽井沢Tさんの家, atelier137 ARCHITECTURAL DESIGN OFFICE atelier137 ARCHITECTURAL DESIGN OFFICE Classic style houses
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インターネットの普及により、職種によってはどこで仕事ができるようになりました。それは街のカフェであったり、海外のホテルであったり...『ノマドワーカー』は今後ますます増えるでしょう。そんな現象に伴って居住地を都市から離れたところに構える人も増えてきました。通勤時間をセーブできるだけでなくのんびりとした環境で仕事が可能であれば、魅力的なライフスタイルですね。「森に住む」というのは、そんな選択肢のひとつかもしれません。もちろんリタイヤ後の終の棲家として快適な室内環境の整った家を構えるのもいいですね。本日は ATELIER137 ARCHITECTURAL DESIGN OFFICEの手がけた定住型の森に佇む住宅を紹介したいと思います。

北側ファサードのデザイン

森に住むためにはその場所の自然環境と折り合いをつける必要があります。自然回帰というプリミティブな発想を大事にしながらも、現代の我々の生活習慣に合った快適な室内環境をもつ住宅に住むのが理想的ですね。この住宅は断熱や湿気への対応に適切な建材を用いて快適な室内環境を実現しています。高床+2階建てのこの住宅はまたその場所における建築規制に見合った屋根の勾配やボリュームに配慮して設計されました。

建物のボリュームを考える

南側に居室を全て配置し、開口部を大きくとっています。平らではない土地にコンクリートの脚注で高床式の構造を採用し、地面からの湿気問題も解消しています。階ごとに相反する方流れの屋根が建物のボリュームを抑え、周囲の環境と調和していますね。

開放的かつ快適な開口

ガラス面に森の木々が映り込み、幻想的な雰囲気を醸し出しています。高床構造が床下に薪などの収納場所を確保し、また湿気防止の快適な室内環境作りに一役買っています。敷地の勾配に対して屋根の水平性が強調され、主張することのない佇まいが自然環境との折り合いで大事なのではないでしょうか。外壁の配色にもこだわりが見られますね。

自然と調和する板張りの外壁

建物上部は下見板張り、そして下部は黒壁になっています。落ち着いた配色が周囲の森とマッチしています。また建物を支えているコンクリート脚注は杉板型枠を用いることでその木目が板張りの外壁と呼応した形となって建物に一体感を出しています。

進化する空調設備を賢く選ぶ

格子型のパネルは快適な室内環境づくりには不可欠な暖房機です。インテリアの一部となるデザイン性の高い空調設備は是非取り入れたいですね。フローリングや収納にナチュラルな木材が使われています。シンプルな照明や落ち着いた色調のソファで心地よい空間に仕上がっています。

テラスが居室の一部となった例

十分に自然を享受することのできる南側に面した大きな開口部です。リビング空間がとても開放的である理由のひとつは建物の構造体である柱を外側(縁側)に配置しているという点です。そしてこの住宅から是非学びたいアイデアはリビングやダイニングエリアと一体化した屋根付きのテラス。透明性の高いガラスで仕切られ、天井や軒が連続した作りとなっているため視覚的に一体感が感じられます。

連続する建築要素が生み出す効果

縁側及び室内に入り込んだ軒天井を連続させることによって、テラスが外に属しているのか室内に属しているのかその境界線は非常に曖昧で、ありそうでない空間体験ができるでしょう。また天井の勾配が開放的な空間に変化をもたらしています。

和室も是非取り入れたい

リビング脇に設けられた普段あまり使われない和室部分にまで縁側及び軒天井を延長し天井も連続させることで、開放的で一体化した空間づくりをしています。縁なしの畳はモダンな住空間にもよく合いますね。

機能性の高いディテールに凝ったキッチン

ダイニングキッチンは基本的にオープンですが、チーク材のフレームでちょっとした仕切りを設けて心理的な隔てをつくったり、そのフレームのダイニング側に引き出しを付けることでカトラリーやランチョンマットが使いやすく収納できるといった細やかな設計でより快適な家作りが実現しています。

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