遺跡がモダンな住宅へと大変身!

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rustic by ADVD atelier arquitectura e design, Rustic
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古代の遺跡は人を引き付ける魅力を持っています。オリジナリティ溢れる建築様式、苔むした石材、漂う独特の雰囲気… 。飛行機に乗って世界各国から人々が見に訪れる人気の建築と言えばほとんどが遺跡です。唯一の欠点をあげるなら居住に適さないということでしょうか。しかしポルトガルの建築家ADVDは、遺跡の魅力を残したままモダンな住宅へとリノベーションしました。一体どのような住宅なのでしょうか?

Before 外観

こちらの建物は18世紀に建てられたもの。古びてくすんだ色の石材、雨漏りする屋根やきちんと閉まらない窓など、正直あまり住みたいと思わせる要素がありません。手入れのされていない植木類も、ここが遺跡というよりも廃屋という雰囲気を作っています。

After 外観

そしてこちらが生まれ変わった外観です!歴史を感じさせる元々の形状は保持していますが、それ以外は完全にリフレッシュしました。石材の外壁は塗装や研磨をして新しく美しい見た目に、窓を交換し、屋根は新しい瓦を設置。石材のラスティックでワイルドな表情や、歴史を感じさせるデザインはそのままに、新鮮で清潔な外観へ大きく変わりました。

コルテン鋼のバルコニー

こちらは家の裏手外観です。コルテン鋼のバルコニーと新しい開口部が追加され、室内がより明るくなりました。コルテン鋼の最大の特徴であるサビ色が石材と良く調和して、まるでもとからそこにあったかのように自然に建物に馴染んでいます。

Before 室内

室内の様子、まずはBeforeから見ていきましょう。建物の構造自体にゆがみが見られる上、インテリアも全体が乱雑でほこりっぽくあまり長居したくない部屋です。外観を見る限り建物の形状はほとんど変化していませんが、室内は変えることができたのでしょうか。

After モダンなインテリア

こちらがAfterです!同じ建物とは思えないほどモダンで清潔、すっきりと洗練された美しいインテリアです。明るい色のフローリングと黒を中心とした配色は穏やかで落ち着きのある雰囲気を作り、大きな開口部が外部との接続を強めた開放的な室内空間を演出しています。

ミニマルなキッチン

こちらはキッチンからのビュー。アイランドキッチンは装飾の少ないミニマルなデザインでも、木材の質感が生かされて温かみのある家庭的な雰囲気を作っています。ミニマルなデザインは後から追加するテーブルや椅子など他の家具とも馴染ませやすく、年代を問わずフィットするインテリアを作ることができます。

壁面収納

キッチンの壁面収納はとても機能的。閉めている時はフラットですっきりした見た目なのに、扉を開けるとこんなにも大容量の収納とオーブンが隠されています。

オリジナルの石造りの壁

階段脇の壁に注目して下さい。他の部分は真っ白な新しい壁が造られましたが、この壁のみオリジナルの石造りの壁が残されています。この建物が生きてきた長い時間と歴史をダイレクトに感じさせ、人間が生きることができない悠久の時や古代へのロマンチシズムを表現しています。この家の最大の特徴であり魅力である「遺跡」を再認識できる重要な要素ですね。

パノラマビュー

大きな開口部を追加したことで、リビングルームからはこのパノラマビューを楽しむことができます!豊かな緑、遠くにはなだらかな山脈… まるで絵葉書になりそうな美しい景色を独り占め。

​バスルーム

バスルームはモノトーンのスタイリッシュでモダンな空間です。モノトーンでも白は小さなタイル、黒は深みのある石材を使用しているので、冷たくならず豊かな表情です。

礼拝堂と祭壇

こちらは信仰心の篤かった建物の前オーナーが所持していた礼拝堂と祭壇です。少しだけ修復し残すことになりました。

以前のオーナーの気持ちを汲むことも、こういった歴史的な建物に住む際には大切なことかもしれません。その気持ちが無ければ、古い建物が次の世代へ引継がれることもないのですから。

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