箱型でデザインされたボックスハウスの魅力

Aya F. Aya F.
眺望の家, TERAJIMA ARCHITECTS/テラジマアーキテクツ TERAJIMA ARCHITECTS/テラジマアーキテクツ Modern houses
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箱型のシンプルな形の家は、20世紀初頭から始まったモダニズム建築の流れをひく、時代を超越したデザイン。四角い家は、その構造ゆえに建築資材もシンプルで低予算でも建てられるのだとか。建物の隅々にまでいろいろなものを詰め込めそうなイメージもありますよね。こうした箱型を使ってデザインされた住宅の印象は、古びることなく長く住む人々にも愛される機能的、デザイン美を兼ね備えているようです。今回はボックスハウスの魅力に迫ります。

重なり合う箱型空間

こちらは東京都の建築家・近藤哲雄建築設計事務所の手による茶屋が坂の家。典型的な箱型住宅ではなく、ボックスの形状を利用しつつも、それを重なり合わせる形で構成したかなりデザイン性の高い建築になっています。箱型を重なり合わせることで、個々の空間をゆるやかにつなぎ合わせ、室内のどこにいても住む人の気配を感じられるようなワンルーム的な構造になっています。箱が重なり合うことにより、多方向から光が取り込め、とても明るい空間になりますね。

コンテナハウス的ボックスハウス

かわってこちらはコンテナハウスを思わせるような箱型住宅。スペインの建築会社Casas Cubeによるプレハブ住宅です。お好みでいろいろなサイズのモジュールが選べます。こちらは50平米のモデル。コンパクトながらも、キッチンリビングダイニングスペースに、バスルーム、独立したベッドルームが備わっています。かっちりとした箱型なので、壁の凹凸などでの狭さは感じられません。プレハブなので、建てるのにも時間がかからずお手軽でシンプル。ゲストハウスとして建てるのにもよさそうです。

変形キューブの家

箱型住宅とはいえ、変わった形のボックスハウスがこちら。木の優しさとコンクリートの丈夫さを利用したエコハウスです。どのあたりがエコかといいますと、空に向かって傾いている壁面がソーラーパネルになっているんです!窓も広く開けられており、冬でも太陽の暖かさを取り込むことができます。もちろん、太陽光による給湯も床暖房も可能。暖炉も備え付けられていて、冬のひとときを快適に過ごせそうですね。マイナス30度、雪深いときでも耐久があるそうなので、北国の別荘としても素敵ですね。

異なる素材で主張するファサード

箱の形状を持った家でも、ファサードにはいろいろなバリエーションがあります。こちらのお宅は、丘の上に建っており、そこからの景色を楽しめるようにと、リビングが二階までの吹き抜けになっていて、その壁面すべてをガラス窓という開放感あふれる空間になっています。道路に面したファサードは、その開放感はほとんど感じられることはありませんが、白い壁面の土台にタイルと石で貼り分けられており、すっきりとスタイリッシュな印象になっています。

格子テラスのアクセント

こちらのボックスハウスはまた違った個性が。縦線を強調したグレイの壁面に、二階部分は木造の回廊がぐるりと取り囲んでいます。木の濃い色の格子が無機質に感じられそうなグレイのファサードに温かみを与えていますね。内装も、木がふんだんに使われており、白い壁と調和がとれたやさしい空間となっています。箱型の形状を生かし、屋上にも広々としたウッドデッキが。富士山も望めるという屋上テラスは、夏の夜に涼んだり友達と語らったりといろいろ楽しめそうですね。

写真:吉田誠

窓をボックス状にアクセント

こちらのモダンな住宅は、箱型というには少し湾曲しています。枝毛状とでも申しましょうか。庭の方向に広く窓が開けられており、そのうちの3つの大きく正方形に開けられた窓を、木のファサードとすのこ状の庇が取り囲んでいます。不思議な形状に突き出したすのこの庇は、陽の光が入ってくるのを調整する役割を果たすと同時に、ファサードに柔らかくやさしいアクセントをもたらしています。1階部は、ウッドデッキ的にも利用できそうですね。

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